APiQとのつながりについて
ーAPiQとはいつどのようにして知り合ったんですか
「和田君(APiQ12代目代表)が、有機農業をこだわってやっている人を探してて、それで僕が紹介されたって感じだったね。桜井に寮があるんだけど、そこで農薬について講演をして。
でもその前にも知り合いだったんだけど、そこは忘れちゃいました。(笑)」
ーAPiQとの活動で心に残っている事
「若い世代の人達と交流する事かな。今までその世代の人と交流することがなかったから、どういう意識してるのかなとかそういう関心もあるし、農業手伝ってもらえて本当に助かるし。」
ーAPiQを含む学生と今後してみたい事があれば
「自分がしたい事っていうよりは寧ろ、学生が何かしたい事があったら協力してあげたい。有機農業とかしてみたい人がいたら、栽培とかやり方の事とか、教えてあげられるし。」
農業について
ー農業との出会いっていうのはどんなものでしたか
「最初は農業っていうよりは農産物との出会いって感じだったかな。普通に仕事としてもやし工場で働いていて、そこで八年間勤めて。
その後自分のしたい事を見つける為に旅に出た。
やっぱりその土地の事っていうのは実際に住んで働いてみて初めて分かると思うから、WWOOF(食事と寝処を提供してくれるかわりに労働力を提供するというお金のやり取りをしないファームステイ)っていうサイトに登録して、各地の農家さんのところで働きながらね。
岐阜で五日間、長野で十日間、奈良で二週間、山口で一か月、種子島で一か月っていう風に、全部違う農家さんのところに行って働いてた。
辛い事もあったけど、自分の見た事のない場所に行って色々な事を体験できたのは楽しかったっていうか、心地良く感じた。景色もめちゃくちゃ綺麗だったし。
そこから農業を始めたのは、今から何か新しいことをやってもできないなと思ったから。今まで辛いって言いながらもこなしてきた事が農業だったから、農業が自分にとって一番できることなのかなと思って始めました。」
ー最終的に糸島に来たのはどうしてですか
「最初は北海道で就農しようと思ったんだけど、その時に台湾人の妻と結婚して寒すぎて住めないって言われて。(笑)じゃあ良い思い出もたくさんあった九州に行こうかなと思った。それで原発も近くになく、北海道まで飛行機一本で帰れて、台湾にもすぐ行ける福岡が良いなってなって。野菜だったら糸島野菜が有名だよって言われたので、それで糸島に。」
ー有機農業にこだわる理由
「有機農業の良さを自分で証明して、人に伝えたいから。
徳島の有機農業の学校で学んで、農業の事で自分が疑問に思っている事はほぼ解決したんだよね。
それで有機農業はすごい、こんなすごい技術があるのに皆知らないなんてもったいないって思った」
ー挑戦したい事っていうのは農業技術を伝えていくことなんですね
「うん。俺の夢は農業者になる事じゃなくて栽培を教える事だから。でも多分教えるにしても自分が農家じゃないと説得力がないから、だから自分で農家やって成功してから教えていこうと思ってる。
それから、科学的根拠を基に、仕組みが納得できる農業をしていきたい。BLOF理論を基にして考えて、自分で疑問に思った事はやってみてって感じで」
ー個人経営でどのように作業を回してるんですか
「数量はそんなに作ってないからいつもは大丈夫なんだけど、今年は管理が追い付かなかったから、そこは改善点だね。
でも今後は機械を導入して、作業員を増やして流れ作業でやる農業もしていきたいと思ってる。今の個人でやってる農業と、両方したい。
規模を大きくして、所得が600万以上にならないと、 認定農業者としては認められないから。(農業を教える立場になる為には)そこもクリアしていかないといけないからね。
個人で所得600万以上になるには、野菜の値段を2倍3倍にして売れるようにすれば良いんだけど、それはしたくない。慣行栽培と有機栽培で値段の差とかはつけたくないから。」
ー耕作放棄地を使う理由
「最初は、新規就農するのに入りやすかったからだね。誰にも迷惑かけないし、寧ろ使うと有難がられるし。
これから新規就農してくる人にとっても入りやすい土地だと思うから、ここでまず結果を出して、耕作放棄地を使ってできる農業を教えていけたら良いかな。」
ーありがとうございました。