吉住さんへのインタビュー

APiQ!!とのつながりについて

ーAPiQ!!とはいつ、どんなきっかけで交流を始めたんですか。

 

「交流も何も、APiQ!!設立の片棒を担った張本人です。ある日、吉田真喜子さんっていう九大の女の子がやって来て、農業体験インターンシップの受け入れをしてくれないかという話でした。

 

農作物を作る人と食べる人の情報の距離がかけ離れている事が、農業や食生活の問題の根本的な問題だと思っていたので、やれる範囲で何か役に立てるのならと企画に賛同し、知り合いの(理解してくれそうな)農家さんに受け入れをお願いして回ったのがAPiQ!!の始まりです。

                    (一部10周年記念誌参照)」

 

ーAPiQ!!のような活動についてどう思われますか。

 

「やっぱり学生さんが農作業を体験してくれるのは、こちらとしてもありがたいですね。

 

農学部の授業っていうのは、実際の農作業とはかけ離れているし、貴女たち(九大生)は将来農林水産省とか県庁とか、行政側の人になる事も多いでしょうし、そういう人が(農業の)現場を知ってて経験してるっていうのは大切な事だと思います。特に今の国のキャリア組ほとんどが法学部出身の人ばかりでしょうから。」

 

ーこれからAPiQ!!としてやって欲しい事はありますか。

 

「いっぱいありますよ。農村再生プロジェクトとか、農林水産省への政策提案、全学的な「食と農の問題提起」、減農薬運動創始者の宇根豊さんの講演会…。

 

あとはAPiQの人で皆で頑張って国家公務員の上級を受けて、農林省のキャリアを占領するとかどうですかねぇ。ははは…(笑)」

 

農業について

ー赤米を育てるようになったきっかけは何ですか。

 

「3分じゃ話せないですね。(笑)でも簡単に言うと、当時いろいろと一緒に活動していた福岡県農業改良普及センターの宇根豊さんに、『赤米を作ってみないか』と誘われたことです。

 

県の試験場で赤米の交配をしていたけどその後が続かなくなっていたそうで、品種改良の続き(選抜)も含めて栽培する事を始めました。」

 

ー何故やってみようと思ったんですか。

 

「赤米はコシヒカリと全く遠い品種で、これを育てると遺伝的にも生態系的にも見た目にも食料としても、バラエティーがあって面白いと思ったからです。バラエティー豊かな方が何かあった時(災害、病気など)にも困らないし。何より、面白い。

 

 

それから、赤米はすごい綺麗な田んぼになりますから、田んぼに人が来ますよね。

 

考えてみたら田んぼに一般の人がわざわざ来るっていうのは凄い事で、画期的な事なんですよ。農業の現場に消費者が来るようになると、分断されていた農家と消費者の情報がつながります。コンビニで当たり前のように売られているおにぎりがいつも当たり前にあるわけじゃないって事に気付けます。赤米は、そういう農家と消費者をつなげる力があると思うんです。」

 

ー白米と違った、赤米を育てる上での大変なところはどこですか。

 

「倒れやすい事ですね。あとは品種の管理が大変で、混ざらないようにしないといけない。他の品種の稲刈りに使ったコンバインは使えないから、バインダーを使ったりね。

 

それと一番は売る事が大変です。普通の白米だったら農協に出荷すれば良いと思うけど、赤米はそうはいかない。自分で買う人を見つけて買ってもらって代金を回収しないといけないので、そこが大変です。再生産価格がとれないと、継続ができません。」

 

ーありがとうございました。