夏の農業体験インターン合宿!前半(9/2~3)

9月2日~9月6日、APiQのメインの活動でもある夏の農業体験インターン合宿が行われました!

APiQの農業体験インターン合宿とは

1日目に糸島観光、2日目~4日目に糸島の農家さんのところで農業体験、4日目の夜には農家さんも含めた懇親会、5日目にお礼巡りという日程で行う合宿です。

 

今年は加茂さん、松崎さん、永田さん、岡さんという4人の農家さんのところでお世話になりました。(農家さん紹介はコチラ

1日目

12時すぎに、運営メンバーと参加者の初の顔合わせ。

 

 

九州内の大学だけじゃなく、山口、神戸、東京の大学からも参加者が集まってくれました!

 

1日目は、養鶏農家さんグループと果樹農家さんグループの2グループに分かれてそれぞれお話を聞いてきました。

 

養鶏農家さんのところでは、鶏に関する産業の話から始まり、平飼いとケージ飼いの違いとメリットやデメリット、自分が平飼いで鶏を飼っている理由などのお話をしていただきました。

 

「平飼いは、鶏にストレスをかけず、鶏が一番良い状況でいれるように育てる事ができるけど、その分高い値段をつけないと収益が出ない。その点では、ケージ飼いの卵は安く売る事ができるから貧しい人でも買う事ができるという社会的なメリットがある。自分は平飼いを続けるけど、(平飼いもケージ飼いも)どちらか一方を完全に否定する事はできない。

 

という言葉がとても印象に残りました。片方が良くて片方が駄目、と簡単に言い切れるわけじゃなくて、方法や考え方が多様である事が大事なのかなと思いました。

もう一つのグループが訪問したのは、わかまつ農園。

 

こちらでは、いくつかある農地のうち、イチジク畑とオリーブ畑を見せていただきました。わかまつ農園では、自然に寄り添った農業をされていて、例えば、イチジクの木にカミキリムシが寄生した場合は、農薬や殺虫剤を用いてカミキリムシを駆除するのではなく、イチジクの木を切ることで対処されているとのこと。木の弱った部分が切られた後は、ふたたび新たな芽が息吹いて、育っていくそうです。

 

農地を見せていただいたあとは、若松さんが糸島で農業を始められるまでのお話や、これからのわかまつ農園についてのお話をしていただきました。

 

若松さんは脱サラして農業を始められた方で、糸島は縁もゆかりもない土地だったそう。当初は、農地を手にすることさえも難しく、様々な困難を乗り越えて、今のわかまつ農園があるということを知り、想いを形にすることの難しさや、自分を信じることの大切さ、そして、若松さんの力強さを感じました。

 

そんな若松さんのお話の中で何度も登場していた言葉は、

 

常識を疑え。」

 

常識とはかけ離れていても、うまくいく可能性はある。

若松さんが現在手掛けていらっしゃるオリーブも、当初は周りから猛反対されていたそう。しかし、自分の信念を貫き通した結果、オリーブはすくすく育ち、現在も生育にあたっての問題は特にないとのことでした。

 

わかまつ農園は、若松さんの想いが体現された場だと感じました。

 

最後の質問タイムでは、時間が足りなくなってしまうほど、みんな若松さんのお話に夢中でした。

 

それぞれの農家さんのお話を聞いた後は、全員で糸島の酒蔵、杉能舎に行きました。

 

お酒が出来るまでの説明や展示を見たり、試飲したりと、とっても楽しい時間を過ごしました。

ここに来たのは最終日の懇親会用のお酒を買う為ですが、自分のお土産用にお酒を買っていった人も何人かいたようです。

 

1日目の夜は簡単なミーティングで締めくくられました。

 

 

次の日からの体験をより充実させる為、自分の農業に対するイメージや興味がある事、農家さんに質問したい事などを考えました。

2日目

海辺でのラジオ体操で2日目の朝が始まりました。

 

2日目からは、農家さんの家での受け入れが開始します。参加者の皆は8:00から17:00まで割り振られた農家さんのところで農家さんと同じように働くことに!

 

この日の記録には、それぞれの農家さんのところでした簡単な作業、農家さんと話したことを書いていきます。

 

加茂さん家

 

APiQ夏合宿では毎年のようにお世話になっている加茂グリーンファームさん。今年は三人のメンバーがここでお世話になりましたが、初日の参加は一人だけでした。

 

一日目のお仕事の内容は、冬野菜の水やり、駄目になったキャベツの植え替え、トマトのわき芽取り、チンゲン菜とキュウリの袋詰めなど。

たくさんの野菜を育てている加茂さんの所では、様々な野菜のお世話ができたようです。

 

農家さんに聞きたい事を質問する事も課題の一つでしたが、この日は加茂グリーンファームのハウスが加茂正彦さんのお父さんが新しい事を始めたいからと言って一から作った物だという事、従業員さんの一人はいつか自立してコーヒー豆を育てて、喫茶店をやるのが夢だという事を聞いてきたそうです。魅力的な大人の人のお話を聞くのは自分の将来を考えていく上でとても参考になりますよね。

 

 岡さん家

 

夏合宿では初めてお世話になる岡さんのところにも、三人の生徒が農業体験に行きました。

 

耕作放棄地を使って有機農業を営む岡さんの所でのお仕事はかなり重労働。害獣用の電柵を立てたり、マルチ張りをしたりと新たな作物を植える農地の準備をしていました。

 

お昼時には、有機栽培の方が収量が多く取れるという利点、そんな利点のある有機栽培の技術を他の人に伝えていきたい、高い値段をつけず色んな人に食べてもらいたいという岡さんの願いなどのお話も聞けたそうです。

 

 松崎さん家

 

松崎さんの営む百笑屋もAPiQが創始された当時からお世話になっている農家さんの一人です。今回の合宿では二人の生徒が参加しました。

 

この日の作業は、商品になるお米と大豆の袋詰め、イベント「ビアファーム」が開催される枝豆畑の雑草取りと、トラクターの洗車、お米の精米でした。

 

枝豆畑には何故か朝顔のようなツル科の植物がわんさか生えており、暑い中の、途方に暮れるような作業でした。

 

この日は松崎さんが山の環境にも目を向けた農業をしている事、7338aもの土地を現在所有している事などを聞きましたが、詳しくは松崎さんへのインタビューにまとめていますのでそちらをご覧ください。

 

永田さん家

 

 水耕栽培を営む永田さん家。二人の参加者がいますが、何故か一人は早朝の5時代からお仕事に行く事に。

 

実は早朝から永田さん家に行く人は、ネギの出荷の準備をしていたそうです。収穫したばかりのネギに着いている下葉や土を機械で飛ばし、それでも残った下葉を手作業で取り除く作業です。

 

他にもネギの苗植えをしたり、出荷するネギに値札シールを貼ったり草取りをしたり。最後には出荷場見学(兼ドライブ)にも行きました。

 

ネギは儲かりそうだったから始めた事や、水耕栽培のメリット(水やりの手間がかからない、天候に左右されない)とデメリット(水に菌が入ると全て駄目になってしまう、天候に応じて水温や水の量は調節しなければいけない)などのお話を聞きました。

 

作業が終わり、順番にお風呂に入った後はAPiQの合宿スタッフが作った夕飯を食べ、ミーティングに移ります。

 

ミーティングは、農家さんのところでした作業の内容と、質問してきた事を皆でシェアする時間です。

 

全ての農家さんのところに行くことはできないので、この時間は様々な知識を増やせる大事な時間です。

 

皆一生懸命耳を傾けていました。

最後に、今年は勉強会が開かれました。

APiQスタッフによるプレゼンを皆で聞き、その内容について議論するというものです。

 

この日の2つのテーマは「農業人口と外国人労働者」「種子法の廃止」。

 

内容について詳しくは書きませんが、一人ひとりが自分の意見を語れる場になっていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後半へ続きますっ